~先ず砲塔(タレット)より始めよ~オーバーウォッチ初心者のための脱ブロンズ論

まずはこれを見てほしい。

ハリウッド、攻撃側の一幕である。正面の高台に盾持ちタンクとDPSが陣取っていて、右側の建物にはヒーラーが隠れており、右奥の昇降機を昇ったところにトールビョーンのタレットがあるという陣形だ。この陣形はハリウッドではよく見る光景だろう。

ここで考えてほしいのが、「まず何から撃破すべきなのか」ということである。

右のヒーラーにソンブラやファラで圧をかける？それもいいかもしれない。

まず盾を壊す？場合によってはそれもありだ。だが実はどれも最適解とは言えない。

そう、まずはタレットを壊すべきある。相手の盾を割るよりも、無理矢理ヒーラーを倒すよりも、いの一番にタレットを壊すべきなのだ。

DPSは盾をチクチク刺激するだけの意味のないジャンクラットやソジョーンをやめ、ハンゾーやファラ、あるいはアッシュやソルジャーを持ち出してタレットに集中すべきである。

タンクは基本的に遠距離攻撃が苦手なので、味方のDPSがタレットを壊しやすくなるような環境を整えるべきだ。

ヒーラーはタレットを無視するDPSの介護を即刻中止し、現状最も重要な標的(タレット)に狙いを合わせている味方を全力でサポートするべきなのだ。仮に文句を言われたら「まずタレット壊せクソDPS」と一言申し添えよう。

たまにタレットを延々と叩き続けているバカみたいな献身的なタレ爺もいるが、基本的には攻撃を浴びせ続けることで打ち倒せる。タレ爺本体を倒しきれずとも、とにかくタレットさえぶっ壊してしまえばいい。

もちろん、よほど壊しにくい位置にあるタレットは別とする。壊しにくいかどうかの判断は「ハンゾーに10秒の猶予を与えて壊せるかどうか」を基準としてほしい。こうすると、タレットが盾に守られていない限り、ほとんどのシチュエーションで「タレットを壊す」という判断に落ち着くはずだ。

タレットの攻撃力はバカにならず、気づかないうちに体力を削られていたという経験があるプレイヤーは少なくないはずだ。ちまちま攻撃を食らうことは、相手のアルティメットゲージを貯めてしまうことにもつながる。これはなんとしても避けたい。

特にブロンズ・シルバー帯では「タレットを放置する」という行為がよく見受けられる。タレットの攻撃がこちらに届くということは、こちらの攻撃もタレットに届くということだ。タレットに付きっきりになってポイントを踏めないというのも問題ではあるが、それでもなお、なんとかしてタレットを壊すということの重要性を、まずは理解してほしい。まともな試合はタレットを壊すところから始まる。なにも難しいことではない。なんせ10秒あれば壊せるのだから。

トレーサーやゲンジなど、マップを縦横無尽に暴れまわるヒーローがタレットを無視するのはギルティ-有罪-である。先にタレットを壊すか、チャットで味方へ呼びかけて壊してもらうなどの対策を採る必要がある。味方が素直に従ってくれるかは別として。

これはハリウッドに限らず、全マップ、全ルールで有効な方法だ。物量で押し込むダイブ構成など一部例外もあるが、基本的にはまずタレットを壊しておいて間違いはない。

オーバーウォッチの歴史を通して、(6人全員が同じキャラを選べた時代を除き)常にこの戦法が有効だったと考えられる。もちろんレート帯やチーム構成、パッチによってその時々の戦い方は変わるだろうが、大多数の試合で(特にブロンズ・シルバー帯で)この方法が最適解だったはずだ。

だが、イラリーの登場でこれは変わった。場合によってはイラリーのヒーリング・パイロンを先に壊すべきという状況も生まれた。とかく設置物は厄介なのである。

オーバーウォッチは「エイム力(りょく)」の勝負ではなく、立ち回りやチーム構成が大きく勝敗を左右するゲームである。ブロンズ・シルバー帯から抜け出せないという人は、上手い人のプレイを見るなどして、どんな立ち回りをするべきかを学習してほしい。上達の第一歩として、まずタレットから壊すところから始めてほしい。