Unityがゲームのインストール数に応じて利用料を請求する「Unity Runtime Fee」を導入すると告知した問題はゲーム開発者にとって記憶に新しいはず。Unity離脱を宣言する開発者も多い中、かつてUnityに200億ドルの買収を持ち掛けあえなく拒否されたテクノロジー企業のAppLovinが、Unityから他のゲームエンジンへ移行するためのツール「Unifree」を提案したことが分かりました。
Unityの騒動について
Unityは、これまでの月額基本料金に加え、ゲームがインストールされた回数に応じて単価数円~数十円の手数料を請求するUnity Runtime Feeを2024年1月1日から導入すると発表しています。
これは実質的な値上げとなるため、他のツールへの移行を表明する開発者は少なくありません。しかし、Unityから他のツールへ移行するのは開発者にとってハードルの高い作業となります。新しいツールの仕組みを理解し、Unityで設計したコードを新しいツールのために書き換えなければならないからです。
立ち上がったAppLovin
これをChatGPTにやらせてしまおうというのがAppLovinの提案です。実際にCTOのバシル・シキン氏がUnity C#をGDScriptに変換してみたところ、次のような結果が出たそうです。
シキン氏は「ほとんどの名前とメソッドは正しく書き換えられたが、一部手動による介入が必要になる」と指摘。上記の結果はあくまで実験的なものであるとし、オープンソースの移行プロジェクトへの参加を呼び掛けています。
AppLovinって…?
AppLovinはアメリカに本社を置くテクノロジー企業で、主にアプリのマーケティングや市場調査を行っています。AppLovinは2022年8月にUnityへ買収を持ちかけ、同社が提供するビジネスモデルと機械学習機能をUnityプラットフォームと組み合わせることを提案していました。
取引額は前日の終値に約18%上乗せしたプレミアム価格で、日本円にして実に2兆7000億ドルに上りましたが、「最善の取引ではない」としてUnity側から却下されています。代わりに、Unityはモバイル広告技術企業ironSourceを約40億ドルで買収する案を進めました。
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